多くの企業では、業務データを蓄積していても、それだけで意思決定や改善に活用できるとは限りません。
今回ご支援したサービス業のお客様も、必要なデータは存在していたものの、どのように可視化すればよいか、
誰がどのような手順でボードを構築・運用するのかが明確になっていない状況でした。
本プロジェクトを担当したコクー社員は、現状ヒアリングと要件整理を行い、Excelに蓄積されたデータを整備しながら、BIツール「MotionBoard」を用いたダッシュボード構築を進めました。特に大切にしたのは、最初から完成形を決め切るのではなく、早い段階でプロトタイプを提示することです。
目に見える形を起点にお客様のニーズを引き出し、フィードバックを反映しながら必要な情報を整理する。
今回は、データの可視化から継続的な運用につなげるために、担当者がどのように支援を進めたのかをご紹介します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業界 | サービス業 |
| 支援期間 | 6〜12カ月 |
| 仕様ツール | Excel、MotionBoard |
| 担当範囲 | 現状ヒアリング、要件整理、現状整理、データ整備、実装・構築 |
| 支援形態 | 準委任 |
お客様のもとには、業務に関するデータがすでに蓄積されていました。
しかし、そのデータを分かりやすい形に可視化できる人材がおらず、具体的な可視化手段や進め方も定まっていない状態でした。
データが存在していても、必要な情報をすぐに確認できなければ、日々の状況把握や判断に活用することは難しくなります。
また、ボードの作成方法だけでなく、その後の更新や運用をどのように継続するかという点も整理する必要がありました。
加えて、データ内には表記や定義の揺れがありました。同じ意味を持つ情報でも入力方法や名称が異なると、集計結果にずれが生じる可能性があります。
ダッシュボードを構築する前段階として、データを可視化に適した形へ整えることも重要な課題でした。
支援にあたって最初に取り組んだのは、お客様がどのような情報を確認したいのかを整理することでした。
しかし、完成したボードのイメージがない段階では、必要なグラフや指標、画面構成を言葉だけで具体化することは簡単ではありません。
そこで担当者は、すべての要件が固まるのを待つのではなく、まずはボードのプロトタイプを構築しました。
実際の画面に近いものを提示することで、お客様が利用場面を想像しやすくなり、「この情報も確認したい」
「この表示方法のほうが分かりやすい」といった具体的な意見を出せる状態をつくりました。
この進め方には、認識のずれを早い段階で見つける狙いもありました。完成後に大きな修正を行うのではなく、小さく形にして確認し、フィードバックを反映しながら精度を高めていくことで、お客様と方向性を合わせながら構築を進めました。
また、ボードの見た目を整えるだけでなく、元となるExcelデータの確認や整備も実施しました。定義や表記が揺れている箇所を確認し、安定して集計・表示できる状態を整えることで、継続的な利用を見据えた基盤づくりを行っています。
さらに、構築後の運用が特定の担当者だけに依存しないよう、必要なドキュメントも整備しました。
依頼されたボードを納品して終わるのではなく、その後もお客様の社内で運用を続けられる状態まで考えることを大切にした支援です。
今回の支援で特徴的だったのは、プロトタイプを通じてお客様のニーズを具体化していったことです。
支援当初は、「データを可視化したい」という目的は明確だった一方で、どの情報を、どのような画面で確認するべきかについては、具体化の途中にありました。言葉だけで要望を確認し続けても、お客様と支援担当者が思い描く完成形にずれが生じる可能性があります。
そこで、担当者は早い段階で実際のボードに近い形を作成しました。完成を待たずに画面を共有したことで、表示内容や操作性について具体的なフィードバックを得られるようになり、必要な機能や情報の優先順位を整理しやすくなりました。
最初から大きな仕組みを作り込むのではなく、確認できる形を小さく作り、お客様と一緒に完成形へ近づけていく。
この進め方が、認識を合わせながら着実にプロジェクトを前へ進める土台となりました。
MotionBoardによるボードを構築したことで、これまで蓄積されていたデータを画面上で確認できる環境が整いました。
データが存在するだけの状態から、必要な情報を見える形で捉えられる状態へと変化しています。
また、プロトタイプを早い段階で共有したことで、お客様から具体的なフィードバックを得ながら構築を進めることができました。
完成後に要望との差が判明するリスクを抑え、必要な内容を確認しながら段階的に仕上げています。
データ整備や必要なドキュメント作成も行ったことで、ボードを作るだけではなく、その後の運用を継続するための準備も整いました。
今回の支援を通じて、お客様の社内でBIボードの運用を進められる状態につながっています。
今回の支援から得られたのは、データ活用の要件は、ヒアリングだけですべてを明確にできるとは限らないということです。
実際の画面や操作イメージを見て初めて、利用する人が必要な情報や使いやすい見せ方に気付く場合があります。
そのため、最初から完璧な要件や完成形を求めるのではなく、まずは小さく作り、確認しながら改善する進め方が有効でした。
早い段階でフィードバックを得ることは、手戻りを減らすだけでなく、お客様自身が求める状態を整理することにもつながります。
また、BIツールの導入やボード構築だけでは、継続的なデータ活用は実現しません。
元となるデータの定義を整え、更新や運用に必要な情報を残すことまで含めて設計することが、
使い続けられる仕組みづくりには欠かせないと捉えています。
今回の経験を生かし、今後もデータを可視化するだけでなく、お客様が継続して活用できる運用づくりまで見据えた支援につなげていきます。
お客様がまだ完成形を描けていない段階でも、プロトタイプなどを活用しながら必要な情報を一緒に整理し、小さな実現から着実に前へ進めることが重要です。データ整備、ボード構築、運用設計を切り離さず、現場で利用され続けるデータ活用の仕組みを支えていきます。
コクーでは、企業の業務改善やDX推進を支援しています。特定のツールを導入することだけを目的とせず、まずは現場の業務やデータの状況を確認し、課題に合った進め方をお客様と一緒に整理します。
課題整理や業務の可視化、要件整理、設計、構築から、運用定着まで幅広く対応。Excel、VBA、RPA、Power Platform、BI、kintone、CELF、AIなど、さまざまな技術やツールを組み合わせた支援が可能です。
「データはあるものの、どのように活用すればよいか分からない」「作成したダッシュボードが現場で使われていない」といった段階でも、現状を一つずつ確認しながら、無理なく進められる方法を検討します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Before | データはあるが可視化できない/見たい指標が整理されていない/BIボードの運用ルールが不足 |
| データ女子の支援 | 現状ヒアリング/要件整理/プロトタイプ作成/MotionBoard構築/ドキュメント整備 |
| After | データを見える化/早期フィードバックで改善/運用が回る状態へ |