「数字をまとめる時間」を判断に使える時間へ。
既存データを活かして進めた経営ダッシュボード構築支援 

アミューズメント業界の企業様では、売上や業績に関するデータを部門ごとのExcel帳票で管理していました。

必要な数値は蓄積されていたものの、帳票の形式や管理方法が異なるため、
全社の状況をリアルタイムに確認することが難しく、月次の会議資料を作成する際にも多くの時間を要していました。

本プロジェクトを担当したコクー社員は、Dr.Sumによるデータの集計・加工と、MotionBoardによるダッシュボードの設計・構築を担当。
すべてのデータや運用を一度に変更するのではなく、可視化しやすい領域から試作を始め、各部門の意見を確認しながら段階的に展開しました。

この記事では、既存のExcel管理を否定せず、蓄積されてきたデータを活かしながら、どのように全社共通の経営ダッシュボードを構築したのかをご紹介します。資料作成時間を3時間から0.5時間へ短縮した仕組みと、利用者が継続して使える環境を目指した支援の進め方に迫ります。

 

項目 内容
業界 アミューズメント業界 
支援期間 約1年間
仕様ツール MotionBoard、Dr.Sum、Excel 
担当範囲 現状整理、要件調整、試作、設計、構築、データ取り込み方法の改善、運用定着 
支援形態 常駐

 

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お客様はどのような課題を抱えていましたか?

 

お客様の経営管理部門では、売上や業績に関する数値を部門ごとのExcel帳票で管理していました。

各部門で必要な情報は蓄積されていた一方、帳票の形式や集計方法が統一されていなかったため、
全社の数字を同じ基準で確認するには、複数のファイルを集めて整理する必要がありました。

その結果、経営層や現場が必要なタイミングで最新の状況を確認しにくく、全社的な数値共有にも時間を要していました。
Excelへの入力や転記を伴う作業では、確認の手間が増えるほか、入力ミスが発生する可能性もあります。

特に負担が大きかったのが、月次会議で使用する報告資料の作成です。
担当者が複数のデータを手作業で集計し、資料の形式に合わせて数値を整理していたため、
毎月の定例業務でありながら、作成には約3時間かかっていました。

データそのものが不足していたわけではありません。
必要なデータは存在しているものの、保管場所や形式が分かれていたことで、数字を確認するまでの工程が長くなっていたのです。

 

課題解決のために、どのようなことを意識しましたか?

 

支援担当者が最初に行ったのは、既存のExcel帳票やデータ構造、各部門での管理方法を確認することでした。すぐに新しい仕組みへ置き換えるのではなく、どのデータがどこで作成され、どのような流れで会議資料に反映されているのかを一つずつ整理しました。

今回の支援で大切にしたのは、現在のデータや運用を無理に変えないことです。

部門ごとに異なる帳票には、それぞれの業務に合わせて調整されてきた背景があります。
最初からすべてを統一しようとすると、現場の負担が大きくなり、ダッシュボードの導入そのものが進みにくくなる可能性がありました。

そこで、まずはデータが比較的整理されており、可視化の効果を確認しやすい領域から着手しました。

Dr.Sumを使ってデータを集計・加工・整形し、MotionBoard上に試作ボードを構築。
実際の画面を見てもらいながら、必要な数値や集計軸、表示方法を確認していきました。

要望を聞いてから完成品を提示するのではなく、試作、検証、調整、本番リリースという流れを取ることで、お客様も具体的な画面をもとに意見を出せるようになります。支援担当者にとっても、言葉だけでは把握しにくい利用場面や判断基準を確認しやすくなりました。

また、ダッシュボードを作るだけでなく、データの取り込み方法も見直しました。
更新のたびに複雑な手作業が発生すれば、利用者にとって新しい負担になります。
そのため、会議資料の自動更新や更新作業の効率化までを視野に入れ、データ集計から可視化までの流れを整えました。

部門別、拠点別など、利用者が確認したい切り口で数値を見られるようにしながら、運用開始後も継続して利用できる構成を目指しました。
依頼されたボードを形にするだけでなく、その後の更新や改善まで見据えることが、今回の支援の軸となっています。

 

印象に残っているエピソードを教えてください

 

特に印象的だったのは、最初から全社のデータを一度に統合するのではなく、可視化しやすい領域から小さく形にしていったことです。

業績データは部門ごとに管理方法が異なり、すべての情報を短期間で整理することは容易ではありませんでした。
しかし、データが完全に整うまで待っていては、現場が効果を実感できるまでに時間がかかってしまいます。

そこで支援担当者は、現時点で利用できるデータを整理し、まず試作ボードを構築しました。
実際に数値が可視化された画面を共有することで、
「この切り口でも確認したい」「会議ではこの数値を並べたい」といった具体的な意見が出やすくなりました。

完成形を想像だけで決めるのではなく、目に見えるものを起点に対話を重ねたことで、
部門ごとの要望を取り込みながら、実際の会議や業務で使いやすいボードへと近づけることができました。

既存の運用を否定せず、使えるデータから一歩ずつ前へ進める。この進め方が、お客様と同じ目線で仕組みをつくるうえで重要だったといいます。

 

支援を通してどのような成果がありましたか?

 

MotionBoardの導入により、売上や業績に関する数値を一つのダッシュボード上で確認できるようになりました。
これまで部門ごとのExcel帳票を集めて確認していたデータを、部門別や拠点別などの切り口で表示できるようになり、
全社で数字を共有しやすい環境が整いました。

会議資料の作成時間にも大きな変化がありました。データの集計や資料への転記を手作業で行っていたときには約3時間かかっていた作業が、導入後は約0.5時間に短縮されています。作業時間は従来の6分の1となり、担当者は数値をまとめる作業ではなく、内容の確認や分析に時間を使いやすくなりました。

また、Excelだけでは対応が難しかった集計軸を使った分析も、MotionBoard上で柔軟に行えるようになりました。
数値の変化や部門ごとの状況を確認しやすくなり、会議前の準備だけでなく、会議中の確認や意思決定にも活用できる状態へ近づいています。

成果まとめ

  • 売上・業績データをダッシュボード上で一元的に確認できるようになった
  • 会議資料の作成時間を約3時間から約0.5時間へ短縮した
  • 部門別・拠点別など、必要な切り口で数値を確認しやすくなった
  • Excelでは難しかった集計や分析をMotionBoard上で行えるようになった
  • 資料作成に使っていた時間を、数値の確認や分析に充てやすくなった

 

この経験から学んだこと

 

今回の支援を通じて、データ活用を進めるには、最初からすべてのデータを完璧に整える必要はないということを改めて実感したといいます。

部門ごとに異なる管理方法やデータ形式がある場合、全面的な統一を先に進めようとすると、関係者の調整や現場の作業負担が大きくなることがあります。一方、利用できるデータから小さく可視化し、実際の画面を見ながら改善を重ねることで、関係者が共通のイメージを持ちやすくなります。

また、見やすいダッシュボードを構築するだけでは、日々の業務には定着しません。
誰が、いつ、どの場面で数字を確認するのか。更新作業にどの程度の負担がかかるのか。
こうした運用面まで考えることが、継続的なデータ活用につながります。

仕組みを提供して終えるのではなく、使う人の声を聞きながら改善を続けることが、
現場に根づくデータ活用には欠かせないと学んだプロジェクトとなりました。


今後チャレンジしたいこと

 

今後は、構築したダッシュボードの改善や引き継ぎを進め、お客様自身が更新・運用できる体制づくりを支援していく予定です。

利用が進むにつれて、確認したい指標や分析の切り口が変わる可能性もあります。現場から寄せられる意見を反映しながら、既存ボードのスリム化や表示内容の最適化を行い、より使いやすい環境へ育てていくことを目指しています。

また、特定の担当者だけが操作できる状態ではなく、経営層から現場まで、それぞれの立場で必要な情報を確認できる運用を整えることも重要です。ダッシュボードの構築から自走できる体制づくりまで、一貫して支援していきたいと考えています。

 

現場に寄り添う業務改善なら、コクーへご相談ください


コクー株式会社では、業務改善やDX推進に向けて、現場の業務やデータの状態を確認するところから支援を行っています。

課題整理や業務の可視化、要件整理、設計、構築、運用定着まで、企業ごとの状況に応じて対応します。Excel、VBA、RPA、Power Platform、BI、kintone、CELF、AIなど、さまざまな技術やツールを扱っていますが、特定のツールを導入することだけを目的にはしていません。

どの情報を、誰が、どのような場面で使うのかを整理し、お客様の業務に合った方法を一緒に検討します。

データはあるものの活用方法が分からない、Excelでの集計に負担を感じている、
BIツールを導入したものの現場で使われていないといった段階からでも、ご相談いただけます。

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